食べたパンの枚数なんて覚えちゃいない。
「ジョジョの奇妙な冒険」に出会ったのは中学生の時だった。
エピソード、タイムリーなものはいくつもあったのだろうけど、
食物連鎖のようにゾンビが人を食べることについて、あれほど
哲学的な問いを投げかけてくるものってあったんだ。漫画って
すごいよな、と思った瞬間。
もっとも、それまでの人生にもファミコンしか存在していなかっ
たようなもんだったので、その後も長い付き合いとなってくる
のは漫画の方だったわけだ。それからン十年経った今でも漫画は
ある種の人生の指標になりうる。
というか、情報がここまで高密度になった中でも良い驚きを
与えてくれる。残酷な描写はあったとしても、それは現実世界
でなく、あくまでも仮想の世界でのこと。時短メディアという
ばかりでなく、シミュレーションメディアでもあるのが漫画の
優れたところ。