生活の中にエイベックストラックスがある。たったそれだけで
明日への活力になった、そんな時代があった。人間誰もにそれが
あったとは思わないが、その時、若いと言えた人たちの最大公約数
的にそういうものはあったのではないのだろうか。
実にたくさんCDは売れていた。このサブスク全盛の時代になっ
てレコードよりもフェティッシュをかき立てないこのただの虹色
円盤、前時代の遺物とさえ言える空しいアイテムではある。
けれども、わずかながらもサブスク全盛時代の中でCDという
形でしか残っていないというものもある。そういったものは多少
なりとも、レア度が高くなり、価値も上がるのかな。いや、そう
あってほしい。生きてるうちに売らなけりゃ意味ないか、と思い
つつも最近の雑誌で「入手困難」みたいになってると貸してあげ
ようか、と思ってしまう。プロでも努力が足りないというのか、
素人の力が上がってるのか、難儀な時代である。